東京大学中東地域研究センター UTCMES スルタン・カブース・グローバル中東研究寄付講座

オンラインセミナー

湾岸危機から30年:日本と中東のかかわり方はどうあるべきか(2020年8月7日開催)

イラクのクウェート軍事侵攻から30年が経ちました。30年前の8月2日、突如イラク軍がクウェートに軍事侵攻し、1日で同国全土を制圧した「湾岸危機」は、翌年1月に湾岸戦争へと発展し、中東の政治構造を一変させました。この事件では、イラクやクウェートに在住していた日本人420名以上が出国できなくなるという、中東ビジネスに関わる人たちにとって前代未聞の危機的状況が発生しました。特にクウェートからバグダードに移動させられ、拘束された213名は、「人質」(「イラクの客人」)としてイラク政府による国際社会を相手とした交渉の材料として利用され、厳しい環境に置かれることになったのです。つまり湾岸危機は、70年代以降、右肩上がりで中東諸国と経済社会関係を強めてきた日本が、初めて多くの邦人の安全を脅かされた大事件でした。
このように、「湾岸危機での人質経験」は、中東で活動する上で、いかに日本人の安全を確保していくかという深刻な問題を、官財界のみならず日本全体に問いかける事件でした。しかし、その後、邦人保護の在り方を模索する本格的な議論や試みは十分なされていないのが現状です。湾岸戦争以降、日本人の中東での活動はリスクと背中合わせのものであるとの認識を強める出来事が、むしろ相次いでおり、イラク戦争後やシリア内戦期でのNGOやジャーナリストの拉致、殺害事件はもとより、2013年にアルジェリアで石油化学事業に携わっていた日本人10人が、武装組織の犠牲になったことは、記憶に新しいことでしょう。
今回の中東木曜フォーラム特別版では、当時、イラクおよびクウェートで日本大使館、あるいは商社支店に駐在したことでこの奇禍に巻き込まれた方々をお招きし、30年前の8月2日にいったい何が起きたのか、なぜ駐在ビジネスマンたちが「人質」にされるに至ったのか、どうすればよかったのかなど、当時の状況を改めて振り返ります。そして、今後、日本の官財界、研究者、ジャーナリストが自らの安全を確保しながら中東諸国で活動を行っていくためには、何が必要なのか、論じていきます。

司会・聞き手 酒井啓子(千葉大学)/保坂修司(日本エネルギー経済研究所)
登壇者 森元誠二 (東京大学大学院総合文化研究科中東地域研究センター客員教授・当時在イラク日本大使館参事官)
大橋 誠 (株式会社三井物産戦略研究所シニア研究フェロー)
日時 2020年8月7日(金)15:00-17:00
会場 zoomを利用したオンライン開催(登録者の皆さま宛てにURLなどを通知します)
共催 新学術領域研究「グローバル関係学」、日本エネルギー経済研究所中東研究センター
使用言語 日本語
参加方法 準備の都合上、ご出席希望の方は登録フォーム(https://forms.gle/2kX9vtqq5mQ1JsJ78)よりお申し込みください。

(上記登録フォームのURLを更新しました[2020年8月1日])
問い合わせ先 東京大学中東地域研究センター・鈴木啓之
c-hsuzuki87[at]g.ecc.u-tokyo.ac.jp
([at]を@に置き換えてご利用ください。)