東京大学大学院農学生命科学研究科土壌圏科学研究室

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講 義

「微生物の世界」(1年生 A1A2ターム、水曜5限、2単位)

  • 担当教員:担当教員:オムニバス講義
  • 授業の目標・概要:
    「食糧と環境を支える土壌微生物」と題して妹尾が1回講義を行います。土壌微生物の農業・自然生態系における多彩な機能と利用について解説します。

学術フロンティア講義「これからの食糧生産を支える植物・土壌科学」(S1ターム、月曜5限、1単位)

  • 担当教員:妹尾啓史、大塚重人、藤原徹、小林奈津子、岡田憲典、柳澤修一、浅見忠男
  • 授業の目標・概要:
    今世紀半ばには90億人を超えると予想されている世界の人口を支えるためには作物生産性の向上が必須である。そのためには、土壌が有する物質変換や肥沃度維持の仕組み、植物の養分吸収や栄養環境適応の仕組みを明らかにして生産性向上に結び付けることが必要である。 また、問題土壌や環境変動下での作物生産、雑草を克服した作物生産は今後の重要課題であり、劣悪な土壌や病害虫などのストレスに耐性を持つ作物の育種や、根寄生雑草を防除する新たな化学的手法が開発されている。 一方、生産性向上と環境保全を両立した農業技術の開発が地球環境と地域環境の保全のために重要である。 本授業科目では、このような研究に携わっている農学部の教員による最先端の講義を行う。

「土壌圏の科学」(2年生 A1A2ターム、水曜4限、2単位)

  • 担当教員:オムニバス講義
  • 授業の目標・概要:
    まず、 土壌を知ろう。土壌中では、土粒子と水との相互作用、土粒子と化学物質との相互作用、 土粒子や化学物質と微生物との相互作用、土粒子とガス成分との相互作用、土粒子間の相互作用など、 複雑な相互作用のもとでエネルギーや物質の移動が起きている。 しかも、 これらは互いに連動して生じていて、 その連動の仕組みを解明することが、 地球上での食糧生産と環境保全のために非常に重要なのである。
    しかしながら、地球上の土壌は、人類がその利用を誤ったことにより、およそ20億haの土地で、最近20年間に土壌劣化を起してしまった。その結果が砂漠化、塩類集積、土壌侵食などの生々しい形で人類に脅威を与えている。
    そこで、劣化した土壌をどのように修復するか、今後土壌劣化を起させないようにするにはどうしたらよいかを議論し、もって持続可能な社会の実現に向けて貢献する方法を考究する。現在、 熱帯林再生のための土壌改良技術や、 荒廃地再生のための土壌改良技術が開発されつつある。 将来、 他の惑星においても 「土壌」 改良を行うことができるだろうか。

「人口と食糧」(2年生 A1A2ターム、火曜3限、2単位)

  • 担当教員:オムニバス講義
  • 授業の目標・概要:
    食糧に対する需要、食糧生産に利用可能な資源、食糧生産の技術の3つの側面から、人類が直面している食糧問題の現状とその解決策について講義する。食糧問題に関するバランスのとれた知識と食糧生産に関わる最先端の科学のエッセンスを伝えることにより、農学生命科学を専門的に学ぶ意義について、グローバルな視点から理解を深めることをねらいとする。
    講義は大きく分けて4つのパートからなる。第一に、食糧問題の構図を把握するための講義であり、世界の食糧需給の展望や、食糧需要変動要因としての人口や所得水準の問題を取りあげる。第二に、耕地生態系における食糧生産について、資源の賦存状況と利用技術の観点から概説する。第三に、畜産資源や水産資源の管理と食料生産を取りあげ、グローバルな視野と歴史的な観点から、利用技術の発展や資源の賦存状況について解説する。第四に、土壌学や植物バイオテクノロジーの観点から食糧生産の科学について取り上げるとともに、作物の病気の防除の現状や重要性について解説する。
  • 授業計画:
    「作物生産を支える土壌:土壌肥沃土の維持・評価」と題して妹尾が1回講義を行います。 土壌の立場から見た場合、作物生産におけるこれまでの課題は「いかにして作物生産性を向上させ、それを維持するか」でした。これからの時代には、「いかにして持続的作物生産と環境保全を両立させるか」が重要となります。これら課題の内容と変遷を解説します。

「農芸化学概論」(2年生 A1ターム、火曜2限、1単位)

  • 担当教員:オムニバス講義
  • 授業の目標・概要:
    農芸化学領域で生まれた顕著な成果を中心に、農芸化学という学問の真髄をわかりやすく解説し、農芸化学の理念やポリシー、社会への貢献などを講義する。また、単に学問的知識を与えるのではなく、研究の苦労や喜びなども理解してもらうことをめざす。農芸化学の歴史の概括、その学術基盤を構築した鈴木梅太郎の業績紹介を起点に、農芸化学を代表する研究成果を取り上げ、現在に至る流れ、最新の研究成果を紹介する。
  • 授業計画:
    「農芸化学と環境問題-足尾鉱毒問題と正義の科学者、古在由直」と題して妹尾が1回講義を行います。
    足尾銅山の鉱毒調査に力を注ぎ、日本の環境科学の先駆けとなる功績を残した正義の農芸化学者、古在由直について紹介します。

「環境土壌学」(2年生 A1A2ターム、金曜1限、2単位)

  • 担当教員:妹尾啓史
  • 授業の目標・概要:
    土壌は生物の生存に深く関わり、人類にとって食糧生産の基盤となる場の一つである。また、土壌は物質循環の行われる場であり、地球生態系の中の重要なサブシステムの一つである。さらに、土壌の有する機能は環境保全にも大きく貢献している。持続的食糧生産と環境・生態系保全のためには土壌が有する機能の保全・活用・制御が必要である。本講義では、土壌の構成要素について説明するとともに、土壌の化学的・生化学的・生物的性質と土壌で生じる反応・土壌の機能について講義する。講義を通じて、土壌の構造と機能との関わり、ならびに、食糧生産・物質循環・生態系保全における土壌の役割について理解を深める。
  • 授業計画:
    ・イントロダクション(土壌の概念)
    ・土壌を構成する粒子(土壌の骨格1)
    ・土壌生物と作物生産、物質循環、環境浄化
    ・湛水土壌における還元の進行と物質変化(水田の特徴と利点)
    ・土壌鉱物(土壌の骨格2)
    ・陽イオンと陰イオンの交換と固定(土壌の養分保持機能)
    ・酸性土壌とアルカリ土壌
    ・土壌有機物と作物生産、地球炭素循環
    ・土壌の生成
    ・土壌分類(日本の土壌、世界の土壌)
    ・土壌の物理性と植物生育
    ・土壌と食糧・環境・資源

「生命化学・工学実習」(3年生 S1S2ターム、集中)

農学部附属生態調和農学機構での実習において「環境土壌学実習」を担当しています。土壌断面観察・調査、土壌養分の簡易診断を行います。

「環境科学」(3年生 A2ターム、金曜2限、1単位)

  • 担当教員:オムニバス講義
  • 授業の目標・概要:
    環境問題はあらゆる学問の総合科学である。そこで、本講義では、広い視点から、環境に関わる問題点を提示し考察を加える。物質レベルから地球レベル、基礎研究から現場技術に至る環境の抱える問題点について、社会科学の面からも考える。環境は科学的知見に基づく捉え方が大切であり、特に微量元素、土壌、水、植物を通した環境の評価や汚染・荒廃環境の修復、循環型社会の形成、環境リスク学などについて講義を行う。これらを通して、環境問題を「科学」的に理解し、研究者として、人間個人としてどう関わっていくべきかを考える。

「土壌生態学」(主に3年生 A1ターム、月曜1限、1単位)

  • 担当教員:大塚重人
  • 授業の目標・概要:
    土壌は陸域の生態系において物質循環の中心的な場となっている。その物質循環はどのようにして現在の形になり、また何がそれを駆動しているのかを、地球史や生物機能の進化の観点から学ぶ。また、土壌の種類や生成要因、土壌の理化学性、土壌生物の機能、人間活動などが、陸域の生態系や土壌の機能とどのように関わっているのかを学ぶ。本授業は、土壌学、生態学、微生物学、環境科学といった分野の境界領域を扱う。そのため、本授業の履修により、これらの分野に関して履修者がもつ知識の断片が相互にリンクするものと期待される。さらに、生態系の保全や持続的な食料生産を実現するためのヒントも探っていく。

「環境土壌資源論」(隔年開講、A1ターム、金曜3限、1単位)

  • 担当教員:オムニバス講義
  • 授業の目標・概要:
    土壌圏において窒素・炭素・リン化合物は土壌微生物の働きにより様々な形態変化を受けて循環し、作物生産、生態系保全、水質浄化、温室効果ガス生成・消去など、食糧生産や地域・地球環境保全を支えている。本講義では、各講師の研究成果を中心に、この窒素・炭素・リン循環を「モノの動き」と「モノを動かす微生物」の両面から解説し、土壌圏における物質循環と微生物の重要性について理解を深める。
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